来年の夏にスワンズを待ち受ける、GK全員いなくなる問題
チャンピオンシップには少々豪華すぎるくらい、似たレベルのGKを3選手確保するスワンズ。しかし来年の夏を境に、全選手を失う可能性があります。
今回は、いまのGK事情についてです。
少し歴史を振り返りましょう。
プレミアリーグ時代のスワンズは、ほとんど2人のGKで7シーズンを戦い抜きました。
ミチェル・フォルムと、ルーカス・ファビアンスキです。
しかし降格に伴い、ファビアンスキが退団。当時の第2、第3GKだったクリストファー・ノルフェルト、エルウィン・ムルダーがスライドし先発の座を争ったのが昨シーズン。
共にエールディビジで数多くの試合に出場する実力者でありながら、レギュラーとしては物足りない、というのが正直なファンの意見でしょうか。両者ともハイボールに弱点を抱えており、結果的には数回のレギュラー交代を含んで出場機会を二分する形になりました。
そして迎えた今シーズン、開幕戦のピッチに立ったのは数日前にローンで獲得したフレディ・ウッドマン。イングランドの世代別代表経験を持つ有望株とはいえ、プレシーズンに参加していない若手GKをいきなり起用するのは、かなり異例のことです。これは2人にとって、かなり屈辱的だったはずです。
第2節でのPKストップなど、驚異的な反応を数多く見せるウッドマンは監督の信頼をつかみ、ここまで全試合に出場。
加入から5年、8割近い試合でベンチに座りながらもスウェーデン代表に呼ばれ続けるノルフェルトはついに、地元紙に退団を示唆するコメントを残しました。来夏に契約切れを迎えることからも、冬の放出は避けられないかもしれません。
第3GKとしては贅沢なムルダーも、契約は来年夏まで。繰り返しますが、ウッドマンはローン契約ですので、スワンズのGK陣では珍しく大規模な入れ替わりが起きそうです。
展望
まずは、キャリアハイとなる出番を確保しようとしているウッドマン。スウォンジーの住みやすさを絶賛してはいるものの、正式に加入する"可能性"があるのは、プレミア昇格を果たした時のみでしょう。ニューカッスルのGK事情には詳しくありませんが、エリオットとダーロウのライバルには十分なれるのでは。
ノルフェルトとムルダーの契約延長は、可能性としてはかなり低いものでしょう。例えオファーを出したとしてもノルフェルトは応じないでしょうから、クラブがムルダーを残すか否かという話です。
そうなるとやはり、若手選手の抜擢が行われるはすです。
チーム内で体格的に最も恵まれているスティーブン・ベンダは先日、ローン先のスウィンドンでデビューを飾りました。珍しく海外から引っこ抜いてきた系の選手ですし、昨シーズンもベンチ入りを果たしていますから、トップチームのスカッドに入る可能性は大いにあります。
あと2人。まずはU23チームで守護神を務めるジョシュ・グールド。彼は色々すごいんですが、GKを始めたのが16歳なんです。左利きでキックも上手くて立ち振る舞いがカッコ良いので、個人的には結構期待しています。
あと1人、そうです彼です。グレゴル・ザブレトです。プレミアリーグ時代にはベンチ入りをしていますが、思ったよりも伸び悩みました。ベンダやグールドの突き上げを食らい、今シーズンはオールダムへローン移籍しています。
グールドとザブレトに関しては、ノルフェルトやムルダーと同じく契約最終年です。この4人の中から1人くらいは契約を更新するのではないかと思います。
さいごに、ノルフェルトの起用でも分かったように、SwanseaWayを表現する上でGKのパス精度は不可欠です。ファビアンスキは足元の拙さをカバーするほどのセービングがありましたが、それほどの選手を探すのは容易ではありません。
もちろん、ノルフェルトやムルダーがアピールに成功し、定位置を奪い返すかもしれません。そうだとしても、スワンズのGK陣の将来は宙に浮いた状態となっています。