20/21夏の移籍市場は残り5日!スウォンジーの現状整理と展望について。
先週、国外との取引を締め切ったEFLの移籍市場。
国内の取引は10/16(金)の日本時間25:00までとなっています。
スワンズのここまでを振り返り、その後簡単に展望を述べたいと思います。
まずは前提知識として、昨シーズン終盤の基本布陣を置いておきます。
※守備陣は怪我人続出によりこのメンバーでは戦っていませんが、監督の優先順位を明らかにするためにこの並べ方をしています
◆OUT:選手層のスリム化に成功
まずはスワンズを去った選手から確認していきましょう。
※選手名横の()内は昨シーズンの出場試合数・得点数
<契約満了>
エルウィン・ムルダー(6・0)
→ヘーレンフェーン
マイク・ファン・デル・ホールン(30・1)
ネイサン・ダイアー(10・1)
→無所属
ジェフェルソン・モンテーロ(0・0)
→無所属
コートニー・ベイカー=リチャードソン(0・0)
→バローAFC
<ローンバック>
ベン・ウィルモット(21・2)
→ワトフォード
アルド・カルル(11・0)
→バーゼル
リアン・ブリュースター(22・11)
→リバプール→シェフィールド・ユナイテッド
<移籍>
デクラン・ジョン(1・0)
→無所属
ベルサント・セリーナ(36・2)
→ディジョン:£3m
クリストファー・ピーターソン(7・0)
→デュッセルドルフ:£450,000+α
<ローン>
ジョシュ・グールド(0・0)
→バリー・タウン
ブランドン・クーパー(0・0)
→ニューポート・カウンティ
ジャック・エバンス(0・0)
→パフォス
バリー・マッカイ(4・0)
→フリートウッド
ジョエル・アソロ(0・0)
→ジェノア
ローンバックを除いて、主力の放出をホールンのみに留めています。昨シーズン終盤にかけてベンチウォーマーとなったセリーナの売却も致し方ない部分です。また昨シーズンはただでさえウイング過多になっていましたが、今シーズンは3バックで戦う都合上、ウインガーの居場所が完全になくなっており、ダイアー、ピーターソン、カルル、セリーナ、アソロ、モンテーロを一気に放出した格好です。
ちなみに、スワンズは引き続き財政難に苦しんでおり、ホールンの給料を払える状態になかったことを本人が証言しています。ブリュースターやギャラガーはローン延長の可能性をほのめかしつつも、結局はプレミアリーグのクラブへ。
これ以降の放出の可能性は下記に述べますが、現在のシステムに適正ポジションのない選手たちがスワンズを去っていった、と言えば分かりやすいでしょう。なおデクラン・ジョンはWBとして計算されているかと思いましたが、練習にもおらず次のクラブも見つかっていません。
◆IN:重要な契約延長、及第点を超える補強。
<契約延長>
カイル・ノートン(33・3)
ウェイン・ラウトリッジ(21・4)
<ローン延長>
フレディ・ウッドマン(43・0)
←ニューカッスル
マーク・グエイ(14・0)
←チェルシー
<獲得>
ジャマル・ロウ
←ウィガン:£800,000+α
<ローン加入、ローンバック>
モーガン・ギブス=ホワイト
←ウォルバ―ハンプトン
ビクトル・ギョケレス
←ブライトン
放出した選手数に比べると少ないですが、ここまで非常に的確な補強と契約延長が続いています。まずは、スワンズでユーティリティプレイヤーに成長したノートンとラウトリッジの契約延長。ノートンはCB・WB・DH、ラウトリッジはWB・OH・FWでプレーが可能なため、フィールドのポジション全てを2人で賄える計算です。バックアッパーとしても最高の2選手です。
ムルダーの後釜にスウィンドンで修業を積んだベンダをローンバック、ギャラガーの代役は恐らくローンで獲れる選手として最上級のクオリティを持ったギブス=ホワイト。ブリュースターが抜けた最前線は、ウィガンで主力だったロウを格安でゲットしています。
さらに中盤にチャンピオンシップでの経験が豊富で、スティーブ・クーパーのスタイルに合致するスミスを獲得。彼はホールンやダイアーが担っていた「精神的支柱」としても重要な役割を果たします。
ここ2年のスワンズの補強を考えると、中盤から前は非常によい補強ができています。中盤から前は!!!!!
…ということで懸念は守備陣。ウッドマンとグエイのローン延長をもってしてもなお、ホールンとウィルモットが抜けた分の補充はできていません。そして獲得候補の名前も挙がっていません。で、ロドンが狙われる危機的状況です。(守備陣のことに関しては後で詳しく述べます)
10/11時点のメンバーは以下のようになっています。352(343)にハマる選手たちで構成した感じですね。正直、守備陣さえうまく乗り切れればここ3年で一番昇格狙えます。
※ラウトリッジはFWもやります
◆展望:注目ポイントはロドンの去就。
残り5日間の注目ポイントはズバリ、ジョー・ロドンの去就です。彼以外に引き抜きの噂は出ていない(グライムスにウエストハムが興味を持っているようですが)ので、兎にも角にもロドンが出るのか残るのか、ってところです。
状況を整理しますと、ロドンを狙っているのはトッテナムとウェストハム、あと微かにマンチェスター・ユナイテッド。で、この記事を書いている時にレスターが獲得レースに参戦するって話が出てきました。特にトッテナムは獲得に本腰を入れているとの報道があります。スワンズは£18mを要求していると言われていますが、個人的には低すぎんだろ!!!という気持ちです。財政難とはいえ、8歳からスワンズ一筋で育ってきたセンターバック、せめてあと1年はチャンピオンシップでのプレーを受け入れてくれないだろうか。
なおスティーブ・クーパー監督は、全選手の残留を強く希望しています。
<現地報道いろいろ>
10/5【sky】トッテナムは£7m~£18mでロドンの獲得を狙う
10/6【sky記者】スパーズの提示金額とスウォンジーの要求には差がある
#thfc Per @SkySportsNews, Spurs are pursuing a deal for Swansea centre-half Joe Rodon but clubs are currently miles off. Spurs want to pay around £7m & Swansea asking £18m. Nothing has to happen today – domestic window open until Oct 16.
— Dan Kilpatrick (@Dan_KP) 2020年10月5日
10/6【sky記者】ロドン獲得には£18mが必要だろう
Spurs in talks to sign centre back Joe Rodon from Swansea City. Would cost £18m
— Kaveh Solhekol (@SkyKaveh) 2020年10月5日
10/9 【Football Insider】スパーズが£13m提示へ+今シーズンはスワンズへの再ローンか(冬のローンバック条項付き)
10/10【WalesOnline(地元紙)】↑のソースを受けての報道。「スワンズは£20mを要求しているが、財政難によってやや低い額でも移籍を容認するかもしれない」
10/11【TheSun】レスターが冬か来年夏にロドンを狙う
ザっとこんなところでしょうか。一つだけ言えるのは、これは代表ウィークだからか分かりませんが、Football Insider(スワンズの情報に関しては信ぴょう性皆無)を除いて大した情報が出てきていないということ。月曜日から金曜日にかけて大きな動きがあるでしょう、と天気予報チックに締めておきます。
とはいえウェールズ代表には、スワンズアカデミー→トッテナムの階段を駆け上がったベン・デイヴィスがいるので、何か会話はあるかもしれません。今ごろカバンゴとロバーツが必死に引き留め、ジェームスが「急にビッグクラブ行くと結構大変だぞ」とか助言してくれるのを願いましょう。
ロドンの交渉に関して、ぜひ頭に入れておきたいポイントは2つあります。
①:見えないフロントの考え
スワンズは先日、前会長のトレバー・バーチが退き、ジュリアン・ウィンターが就任しました。そしてバーチはトッテナムのフロントに入っています…。
ウィンターの考え方はベールに包まれています。が、クリストファー・ピーターソンの移籍をスティーブ・クーパーの知らないところで進めたと伝えられている通り、早速現場とのズレが出てきています。
守備の要であるロドンを残せば昇格争いに十分絡めるだけに、昇格とお金のどちらを優先するのか、もしくはお金を優先せざるを得ない状況なのかは分かりませんが、ウィンターの下でのスワンズの姿勢が表れる取引になりそうです。
②:代役の確保は間に合うのか
もし移籍したとして、ガチでセンターバックがいなくなります。3バックなのに、本職が2人という地獄。ノートンやフルトン、トップ昇格したC.エバンスやルイスはいるものの、本職のセンターバック2人で3バックを採用しているチームを聞いたことがありません。
スティーブ・クーパーはロドンが退団した場合は2人、残った場合でも1人の新センターバックを望んでいます。ついにこの間、「昇格したいなら動いてくれるだろうね!」的な事をクラブに言っています。
トッテナムは、ロドンの獲得を移籍金+カーター=ヴィッカースで成立させるかもしれない、みたいな話こそあるものの、現時点で獲得可能そうなターゲットはおらず。
この状況でもロドンを売るのか、果たして。
そんなこんなで残り5日間、楽しんでいきましょー!!